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世界の車窓からDVDブック

スイス1 登山鉄道をめぐる旅

春〜夏のスイスを「車窓・地上・空中」から活写!
スイスの一番美しい季節 絶対「買い!」な「スイス1」編

スイスの車窓
国土の70%を占めるアルプス山脈とジュラ山脈の明峰や氷河、湖、のどかな牧草地が広がる。標高4000m級の山が40以上もあり、登山鉄道の路線が多く、手軽に登山が出来るため世界中の観光客に人気がある。
世界の車窓からDVDブック スイス1
は登山鉄道が主な内容だが、上記の絶景の全てを堪能できる。
【スイス連邦】(連邦共和制)
面積:4万1293k2m(九州とほぼ同じ)
人口:740万人(埼玉県とほぼ同じ)
人口密度:179人/k2m(香川県とほぼ同じ)
言語:ドイツ語、フランス語、イタリア語、ロマンシュ語
鉄道開業:1847年(日本の25年前)
長さ:5千km(JR九州 2,100 km)

世界の車窓からDVDブック スイス1 世界の車窓からDVDブック スイス1
発売:2007.11.20
定価:980円(特別定価)
DVD:60分
撮影:2002年5〜6月、7月

「登山鉄道をめぐる旅」というサブタイトルどおり、スイス中央部にある4つの登山鉄道を巡ります。季節は春から初夏。緑の大地、花々、雪を戴いた山岳が同時に見られる、1年のうちでごく限られたシーズン、スイスのいちばん美しい季節を列車で駆け抜けます。
各登山鉄道へのアクセスで乗車する在来線は、景色の美しさから「ゴールデンバス」と呼ばれ、ここも必見のシーンです。
他の巻に比べて鉄道のシーンに重点が置かれており、街のシーンなどは少なめです。しかし、そこは世界一の観光王国スイス。鉄道の車窓、走行シーンは非常に美しく、鉄道ファンでない人でも充分に楽しめる内容だと思います。
単に景色が美しいだけでなく、カメラワークも凝っており、ヘリコプターを使ったスリリングな空撮がたびたび挿入されます。
他の巻に比べて空撮シーンが長く、とてもエキサイティングです。また、BGMも素晴らしく(あらゆる世代に受けそうな選曲)、心が浮き立ちます。
「スイス1」は、第1巻という事で、かなり力を入れて制作している様子が伺われます。おまけに特別定価として、他の巻よりも500円安い、これはもう、絶対にお買い得です!!
テレビ放送:2002年7〜8月、2005年9〜11月。

世界の車窓からDVDブック スイス1 登山鉄道をめぐる旅
時間 乗車区間 映像の特徴
1

レマン湖畔の旅

4:30 ジュネーヴ 国連や赤十字など、さまざまな国際機関が事務所を置く国際平和都市。高さ140mまで噴き上げるレマン湖の噴水には虹が光る。
スイスを象徴する赤い列車で、快晴のレマン湖畔を快走する。女声コーラスの明るいポップスが、旅の始まりのワクワク感を高める。景観の良さと穏やかな気候に惹かれて、昔はヨーロッパ中の貴族が訪れ、今では世界中からの移住希望者が多い地域だという。
モントルー レマン湖畔の町、モントルーの波止場。「スイスの輝く真珠」と言われ、多くの著名人に愛された町。コーラスフェスティバルやジャズフェスティバルでも国際的に有名。また景色の素晴らしい「ゴールデンパス・ライン」(モントルー〜ルツェルン間の総称)の起点。
2

ゴールデン・パス・ライン1 …スリリングな空撮で同時に空中散歩

10:00  

 
世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころアルプスの丘陵(グリーンハイランド)のS字カーブを走る列車を、空中停止・方向転換・追尾で大胆に空撮! いかにもスイスらしい風景。あまりに風景が出来すぎているので、鉄道模型のジオラマのようにも見える。
シャトデーからは、下校のやんちゃな中学生が乗り込んでくる。どこに国でも中学生は同じ?カメラに向かって「ヤッホー!」と叫び、車内でワイワイ。列車はのどかな山間の牧草地をかけてゆく。
レンク ツヴァイジンメン⇔レンクの、アルプスに向かって伸びる支線も往復。雪を被った白い山並みと、ふもとの緑と黄色の絨毯。行楽に行くお年寄りの集団は、ハイキングのお供の杖談義。皆「自分のステッキが一番だ!」と譲らない。
世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころ太陽に輝くトゥーン湖に沿ってを走る列車を、水面低空からの空中撮影で、すべるように追跡! ヘリコプターが停泊しているヨットのマストをかすりそうで心配だが、非常にエキサイティング。
インターラーケン 町の名前は「湖と湖の間」という意味。文字通り、町は西をトゥーン湖、東をブリエンツ湖に挟まれている。
3

トップ・オプ・ヨーロッパ …3つの列車を乗り継いでヨーロッパ最高所の駅・ユングフラウヨッホ展望台へ

16:00 昔のJR横須賀線のような色の、ベルナー・オーバーラント鉄道で、氷河の雪解け水で白く濁ったリュッチーネ川沿いを、カーブを繰り返し、高速に駆ける。
この鉄道にも歯車レールの区間があるそうだが、DVDの映像には登場しない。
ラウター・ブルンネン 世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころ駅前(駅裏?)の崖にはシュタウプバッハの滝がそびえる。落差300mは欧州で第2位。駅の構内から滝を見られるというのが凄い。
菜の花カラーの、ヴェンゲルンアルプ鉄道は、歯車式の登山鉄道。歯車の「ギシギシ」という音を立てながら登る。速度計は40km/hまであるが、20km/h強で登る。林を抜けると、ユングフラウ(4158m)、メンヒ(4099m)、アイガー(3975m)の世界的に有名な3つの山が車窓に大きくせまる。このような景色が鉄道の車窓から眺められるとは、いかにもスイスらしい。
クライネ・シャイデック 乗換。スイスの登山鉄道は、低いプラットホームに低床の車両で、まるで路面電車のよう。乗り降りしやすく、お年寄りにもやさしい。また、上記・下記の登山鉄道では、車間距離を詰めた続行運転が行われており、多くの観光客を裁く工夫が見られる。また、走行中の列車を正面から安全に撮影できる。
世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころユングフラウ鉄道も歯車式の登山鉄道。床下の歯車のアップと共に、キュイーンと唸りを上げて発車。シンフォニー調のBGMが始まり、一気に盛り上げる。アイガーの岩山に向かって、短い草の生える山を、ぐんぐん登っていく列車をダイナミックに空撮。『世界の車窓からDVDブック』のテレビCMでも使われたシーンである。
アイガー・グレッチャー 「グレッチャー」は氷河の意。列車はこの駅の先で、終点まで続く長いトンネルに入る。
途中下車して、間近に迫った氷河に触れるなどして、戯れる乗客もいる。
ゴツゴツとした岩肌むき出しのトンネルを進む。吊りかけ式ようなのモーターの唸りがする。
車内のモニターでは、案内ビデオが流される。それをビデオに撮っている乗客も居る。ビデオのバッテリーがもったいない気もする。
アイガーバント アイガー北壁に作られた駅。北壁に開けられた展望窓から、雲が眼下に煙る天海の風景を望む。ガラス越しだが荘厳な風景。聖歌風のBGMが始まりラストへ向かって盛り上げる。ヘリコプターが岩間を飛んで展望台を外から映し、ガラス窓からこちらを見ている乗客たちが確認できる。この駅の構造がよく分かる。
岩山をくりぬいたトンネルを登る事40分、トンネル内に作られた終点のユングフラウヨッホ駅に着く。
ユングフラウヨッホ 駅には「トップ・オブ・ヨーロッパ 標高3454m」とある。乗客はエレベーターで岩山の上の展望台へ登る。
世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころ突き出した岩山の上に、灯台のように立っている展望台の周りを、ヘリコプターでグルリと回り込んで空撮。聖歌風のBGMと相まって荘厳な気持ちになる。展望台からはヨーロッパ最大のアレッチ氷河と、雲海と共にどこまでも広がるアルプスの山々を望む。言葉を失くしてポカーンと、雄大な風景に、あっけにとられる観光客の姿が印象的。
4

山頂を目指す蒸気機関車 …歯車式の登山鉄道の蒸気機関車 ブリエンツロートホルン鉄道 

11:00 インターラーケン
快晴のブリエンツ湖のほとりを走る赤い列車。赤い電気機関車+赤い客車は、かつての日本の東北地方のよう。この中央鉄道(旧スイス国鉄ブリューニック線)は、線路幅が他の路線よりも狭く(幅1000mm)、車両も小ぶりのため、「可愛い列車」と呼ばれているそうだ。
ブリエンツ ブリエンツ湖のほとりの町。そしてブリエンツロートホルン鉄道の起点。機関庫で蒸気機関車の点検整備の様子。10台あまりのSLが現役。複雑な構造の登山SLの側面をじっくり見れるのはこのシーン。沢山のシリンダーで動力を減速して、登山に必要なパワーを生み出している様子が分かる。
1892年に開業したSLの登山鉄道。もちろん歯車式のレールを備える。機関車は、ボイラーが急な坂道で水平を保てるように、平地では前のめりに傾いている。
線路幅が狭い(幅800mm)ために、客車はビニールハウスのよう。そんな客車を数両繋いで押し上げる登山SL。万一に備えて機関車は最後尾に連結されている。シュシュシュ・・・と忙しい音を立てるが、スピードは遅い。この小さな機関車は、急坂を登る力強いSLというよりは、ポットが沸騰しているような軽快な音を立てる。だんだん車窓から緑が少なくなり、岩がむき出しになる。所々雪が残った山を登る。このシーンが『DVDブック世界の車窓から スイス1』の表紙に使われている。
ブリエンツロートホルン 標高2444m。山頂にはまだ雪が少し残っている。ブリエンツ湖がはるか下に見える。
よくこの小さな蒸気機関車で、ここまで登ってこられたものである。
5

ゴールデン・パス・ライン2

6:00 ブリエンツ
進行右にライヘンバッハの滝。穏やかな緑の山ろくを、川に沿った平地を進む赤い列車。
線路脇にまで、家畜が放牧され、ゆったりと草を食んでいる。
エメラルド色をしたランゲルン湖を高台に敷かれた線路から眺める。教会の尖塔を中心にしたギスビルの町も見下ろす。
ルツェルン フォアヴォルト・シュテッテ湖のほとりの町。おとぎ話風の絵「ファサード」の装飾のある建物が街中に健在。屋根付きの木橋であるカペル橋にも歴史絵がある。そしてモントルーから続いたゴールデンパス・ラインの終点の町。
6

急勾配世界一 …竜伝説の険しい山を登る ピラトゥス登山鉄道

4:00 アルプナッハシュタット
 

 
ピラトゥスクルム
斜度25度、480パーミル(1km進むごとに480m登る)という急坂のため、車体がケーブルカーのように平行四辺形をしており、車内も階段状になっている。
ピラトゥス登山鉄道も歯車式のレールを用いる登山鉄道だが、多くの歯車式の登山鉄道がレールに対して垂直に歯車を配しているのに対して、ピラトゥス登山鉄道は水平に配しており(ロッハー式と言う)、その特徴ある構造もDVDで確認できる。
勾配が急な区間に入ると、車窓からは見る見る緑が消え、ゴツゴツとした灰色の岩肌になる。BGMも軽いものから、神秘的なものに変わる。ピラトゥスは竜が変化してできたという伝説があり、それを物語るかのような険しい景色が広がる。ピラトゥス登山鉄道のマークにも竜のシルエットが描かれている。車窓は他のスイスの登山鉄道とは趣がだいぶ異なる。終点へ向かうにつれ、霧が出てきて、いっそう竜が出てきそうな雰囲気になる。線路幅が狭い(幅800mm)ためによく揺れる。頂上付近は線路脇に地面が全く無い所もあり、列車は雲の上を走っているよう。もし脱輪したら、奈落のそこへ真ッ逆様、スリル満点である。
山頂は霧が出て、眼下にルツェルンの町並みが少し望める程度であったが、むしろ霧が出た方が、ピラトゥス山らしいかもしれない。
7

ヨーロッパ初の登山鉄道 …標高は低いが眺めはピカイチ フィッツナウリギ鉄道

6:30 フィッツナウ
 

 
リギクルム
夏休みの行楽客で賑わうフィッツナウリギ鉄道を旅する。開業は1871年でヨーロッパの登山鉄道としては最古で、日本初の鉄道開業(新橋―横浜)の1年前。リギ山の標高が1800mと比較的低く、しかも山頂からの景観が優れているために、リギ山へ一早く登山鉄道を敷いたのであろう。リギ山は「山の女王」と称されている。
ふもと駅の歯車式レールを用いた登山鉄道の転車台が珍しい。リギ鉄道は、大きなパンタグラフを載せた電車が、トロッコ風の客車を押し上げる。登山鉄道としては線路幅が広く(幅1435mm)、車両もワイドである。
街を出ると、すぐに展望が開ける。
緑に覆われた急な斜面を、芝に覆われた斜面にふんばって垂直に建っている住宅をかすめながら、グングン登っていく。BGMのワルツも気持ちを盛り上げる。
リギ鉄道も歯車式の鉄道だが、静岡県の大井川鉄道でも導入されているアプト式ではなく、リッゲンバッハ式と言う、より構造が単純な歯車式の鉄道である。そのため「ガチガチガチ」という音をたてて列車は登る。歯車がレールにかみ合って進む様子も床下の車載カメラで収録されている。
いつの間にか列車は、湖や森林を見下ろせる高みにまで達している。
麓から30分で終点の山頂駅リギ・クルムに到着する。
リギ・クルムの展望台はまさに爽快。周囲の視界が開けているため、ナレーションの通り「アルプスの山々の間を空に浮かんでピクニックしているような開放感に満たされる」。
世界の車窓からDVDブック スイス1の見どころここでクレジットが流れる。展望台で癒される観光客と、遠近感を感じさせずに迫るスイス・アルプスの青い山々。実に清清しいラストシーンである)。

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